エキストラクター 使い方
折れたボルト(ねじ)を抜くときに使う「エキストラクター」という工具がありますが、便利な反面使い方にコツがあります。
便利という点では、折れてしまうとどうしようもないボルトを抜くことができる可能性があること。こればかりは100%除去できるわけではなく、折れ方や折れる前の締め具合、さらには締め付けてからの時間(錆びや固着)によっても変わってくるので致し方ない所でもあるでしょう。
使い方は単純と言えば単純なんですが、それぞれの作業で専門的な部分や感覚というものを持っていた方がいい、ある意味玄人向けの工具かもしれません。
1、ボルトの折れ口にボール盤や電動ドリルで穴をあける。
⇒折れ口が平らでないことが多いのでまっすぐあけ難い。ドリルの穴が大きくなりやすいので小さめのサイズをチョイス。
2、あけた穴にエキストラクターをハンマーなどで打ち込む。
⇒グラつきがない事、かといって力いっぱい打ち込み過ぎない事。
3、角の部分を挟んで左に回す。
⇒この時にモンキーやスパナだとハンドルが片方にしか出ていないためバランスが悪いので、タップハンドルなどの専用工具を使うのが望ましい。
手順としてはこれだけですが、よくエキストラクターの方が折れるという話を聞きます。工具の方にもトルクの限界がありますので、力任せに回せば、最終的に折れるか打ち込んだ部分が削れて空回りかのいずれかの結果が待つだけでしょう。
空回りしていないのであれば、エキストラクターのしなり具合を手で感じるしかありません。
本来、ねじが回っていない場合ハンドルも回そうとしても回らないはずです。しかし、ハンドルだけは少し回転方向に動く、これがしなりです。
しなりの限界を超えたところが折れるという結果なので、しなりが確認できるようであれば限界が近いので注意が必要です。
予め冷却スプレーで折れた部分を冷やしておくと抜けやすいこともあるので試して見てください。
ややもするとレーザーで溶かしたり、何万円・何十万円も費用をかけないと抜けないボルトが、数百円~数千円程度で抜けてしまう可能性のある工具がエキストラクター。
言ってみれば「ダメ元で」という感覚はあるものの、意外と社内では役に立っていて、スローアウェイチップを止めているネジなどは舐めやすいので、そういう時には高確率で楽に抜く事ができます。
ご検討お祈りします。